★書物に対して、私は少年の頃から一種偏した愛着の気持ちを抱いていた。本を読むためにではなく、本を眺め、それに触れたいために、図書館や書店の通路で過ごした長い時間を、私は今でもしばしば大切なもののように思いおこすことがある。 そういった感情が大人になってもこころの深い所にこびりついて生き残っている人々、ある幼さと過度の情熱を残した人々のために作られる種類の本がある。 この一冊もそれらの人々のために、同じ種類に属するスタッフの手によって制作されたものだ。佐藤明氏の独自の映像の世界によって支えられたフォト・ロマネスクとして、ひそかに少数の同族たちに手渡されることを願わずにはいられない。著者 ＜特長＞ 総革装装丁(ヤギ革)、天金、本文は活版印刷、詳細は添付写真のリーフレットの仕様参照 稀覯本の極美本 1974年9月20日発行 定価：28000円 ★なめらかな本革の感触と匂い、上質な紙と活版印刷の凸凹の感触を味わってはいかがでしょうか。普段の生活ではなかなか体感できない悦びを見いだす美的生活の良いきっかけになるかもしれません。 注意事項：本体表紙及び裏表紙見返しの淵に経年変化による若干の変色あり、他問題なし